Special Feature 2014特集2014

このページを印刷する

特集 SHINKA2

「水素社会到来」に向けた新化

水素利用時の安全確保のために、「水素漏れ検知センサ」を開発しました。
水素は、燃料電池車(自動車、フォークリフト)、水素ステーション、家庭用燃料電池などへの利用が期待されています。

水素漏れ検知センサについて

開発担当からの声

FCVの安全を守る「劣化しないセンサ」の開発に向けて

水素を使用して走るFCVにおいて、水素漏れを素早く正確に検知することは、運転者の命に関わる重要事項の一つです。そのため開発では精度の良い検知と同時に、「劣化しないセンサ」を作ることが求められます。当社の水素漏れ検知センサはまだ開発途中ですが、他社とは違う検知方式を採用し、耐久性は他社より優れていると自負しています。まずはFCVへ搭載されるセンサを開発して量産化につなげ、この分野でのシェアNo.1を目指していきます。

新規事業推進本部
新事業戦略部
市川

利用時の安全確保

水素は無色透明で匂いがなく、空気中に漏れても運転者は気付くことができません。燃料電池車(FCV)の安全走行には、わずかな水素の漏れも素早く検知できる高精度のセンサが不可欠です。

新方式で高感度・高速起動

当社が新開発した「熱伝導式」センサは、ヒータ(検知素子)で水素が奪う熱量を測ることで水素ガスの有無を高精度に検知します。

エネルギー問題を解決する「水素」の可能性

水素は燃やしてもほとんど有害ガスが出ず、化石燃料やバイオマス、水などさまざまな原料から製造が可能なため、エネルギー・環境問題の解決に役立つ次代のエネルギー資源として期待を集めています。
この水素エネルギー実用化の代表例である燃料電池自動車(FCV)は、水素と酸素の化学反応を利用して作った電気でモーターを回して走るクリーンな車であり、その普及が進めば大気汚染や地球温暖化の抑制に大きな効果をもたらすと考えられています。すでに主要な自動車メーカではFCV開発を進めており、2015年には市販モデルの発売が予定されています。
そこで重要になるのが安全管理です。水素は非常に燃えやすい気体で、空気中に漏れ出すと火災や爆発の危険があります。そのためFCVには、水素漏れを検知する装置を取り付けること、水素漏れを検知した場合には警報を出して運転手に知らせたり、燃料の供給を遮断するように設計することが義務付けられています。
※一部例外あり

水素の安全な利用に貢献する「水素漏れ検知センサ」

現在実用化されている水素漏れ検知センサは主に「接触燃焼式」という方式を採用しています。これは検知素子(ヒータ)に白金やパラジウムなどの触媒を塗っておき、漏れ出した水素と触媒との化学反応で発生する熱によって検知をおこなう仕組みですが、この方式には触媒の劣化や剥離が起こると正確な検知ができなくなる欠点があります。
これに対して当社が独自開発したのが「熱伝導式」という新しい検知方式です。これは水素によって奪われる熱量を測定することで水素ガスの濃度を検知する方法です。水素は熱伝導率が非常に高いため、水素が存在するとヒータから逃げる熱量が大きくなり、この放熱量の変化によって水素濃度を検出できるのです。
化学反応を用いない「熱伝導式センサ」は、劣化が少ないだけでなく起動やレスポンスも速く、さらに車の振動や衝撃にも強いため、長期間に渡って使用されるFCVに最適な水素漏れ検知センサとして、各自動車メーカへの提案活動を進めています。

先進の電気自動車開発プロジェクトにも参画しています

当社は、電気自動車(EV)の分野へもアプローチを広げています。SIM-Drive社とFOMM社のEVプロジェクトに参画するなど、最先端のEV技術情報を収集・蓄積して研究開発につなげています。

SIM-Drive社が先行開発したEV「SIM-CELL」
FOMM社が開発中の小型EV

※所属・役職は2014年度当時