新興国への挑戦

「挑戦への自由度が高いことが、新興国で働くことの醍醐味です。」そう話すのは、自身もメキシコ・インド・中国の3カ国でビジネスを行ってきた執行役員の時岡だ。ニットクは「グローバル」という言葉が一般的になるずいぶん前から海外に進出し、スパークプラグ世界シェアNo.1の座を勝ち取ってきた。今後の自動車販売の主戦場となっていく新興国市場においても、ニットクはさまざまなアプローチを行っている。

今後も自動車の需要は増え続け、あらたな需要の多くを新興国が担うと予想されている。つまり、新興国においてニットクのスパークプラグやグロープラグ、酸素センサ、温度センサなどのニーズは今後間違いなく高まっていく。中でも世界最大の自動車生産国・販売国となった中国や、その次の時代を担うインド、アフリカなどへのチャレンジを、ニットクは積極的に進めていく予定だ。

「しかしながら、新興国とひとくくりにすることは難しく、国や地域によって状況がまったく違います。」時岡はそう続ける。世界進出の中でもニットクが特に苦戦を強いられていたメキシコ・インド・中国の3つの国々では、ビジネスを軌道に乗せるためにさまざまな苦労もあったという。

たとえばメキシコでは、政府が「輸入部品を使ってはいけない」という保護政策を行っていたため、現地生産を行っている競合他社にシェアが集中していた。しかし、ある自動車メーカーの方針転換をきっかけに、NAFTA(米国・カナダ・メキシコの3カ国が合意した北米自由貿易協定)を活用して米国で生産したニットク製品をメキシコに送るという形をとることで、それまでの状況に風穴をあけることに成功した。さらに、卸売や整備工場などへの地道な営業活動によって、たしかな信頼をつかんでいったそうだ。また、ちょうどその頃、日本人プロレスラーがメキシコで大活躍をしていたため、興行時のスポンサーとなって整備工場のメカニックを招待するなどのイベント活動も行っていたという。

インドでは、40%もの関税が商品にかかってしまうため、いきなり現地生産を行うことを決めた。通常は輸出ベースでお客様を確保してから販売会社を設立、さらなる需要が見込める場合は現地生産を行うという流れとなるのだが、インドの場合は販路を確保する前に工場を作ってしまうという大きな“賭け”に出たのだ。さらに、インドならではの代理店の慣習や地方ごとに異なる言語の問題などにも翻弄されながら、販路を徐々に拡大していったという。

そして中国では、あらたなチャレンジとして中国専用のスパークプラグ「CX烈焰(れつえん)」を発売した。それまでは自動車メーカーへのOEM(新車組み付けビジネス)を最優先してきたのだが、中国市場ではボリュームゾーンにミートする新商品の開発をしないと拡販が厳しいと判断したためだ。また、中国には25万もの整備業者が存在するため(日本は10万程度)、その中からたしかな技術を持った10%程度の業者に「3S店」という特約修理工場のオファーを行うことで、より良いサービス提供に努めている。さらに、中国では日中間のデリケートな政治問題の影響もあるため、『メイド・イン・ジャパン』ではなく『世界ブランド』を前面に出して営業展開していくなどの配慮も行っている。

自動車市場のトレンドとして、ユーザーにより近いところで商品開発を行い、お客様の要求をどれだけ吸収し、満足いただける商品を提供するかが重要となっている。ニットクにおいても、異文化の方とのコミュニケーションを円滑に行い、信頼関係を強くすることが製品をご購入いただくための一番のベースとなる。若いうちから海外を経験することで多様性をしっかり受け止め、柔軟な発想ができる『人財』に成長することを、ニットクは期待している。

3つの挑戦

  • 新時代への挑戦
  • 新興国への挑戦
  • 新事業への挑戦
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