医療

Medical Use

当社には、セラミックス、金属、プラスチックなどの素材を組み合わせる技術やノウハウの蓄積があり、それらを融合して数多くの新製品を誕生させてきました。この実績を活かし、「当社の高機能素材を医療分野でも活用してもらいたい」という思いから医療事業にも進出。
患者さまのQOL*向上と当社の事業領域の拡大に向け、さらなる研究開発を続けています。

*QOL:Quality of Life 生活の質。医療分野では、非侵襲や早期回復を助ける方式、検査時の苦痛などをできるだけなくし、患者さまの負担を軽減させることなどを「QOL向上」という。

骨補填材

Bone Prosthesis

外科や整形外科の分野では、骨が欠損した部分の補填材や人工関節などに、1980年からアルミナセラミックスが、1985年から水酸アパタイトセラミックスが使用されるようになりました。
一般に、人骨成分のうち70~75%を占めると言われる水酸アパタイトは、生体適合性には優れているものの、人工のものは粒子が大きく強度に不安があるため、そのまま骨の代替物として利用するのには問題がありました。
当社では、1976年から1977年にかけて水酸アパタイトの研究を始め、1978年には高強度の水酸アパタイトの開発に成功。アパタイト原料に焼結助剤として添加物を使用し、焼成時における粒子の粗大化を防ぎ、常温常圧の状態で、曲げ強度が1c㎡あたり2tと、ほぼ人骨に近い強度を得ました。
その後も研究を重ね、大学の医学部などの協力を得て臨床試験を実施。
1990年に「骨補填材 セラタイト」として販売を開始し、医療用具メーカーとしての第一歩を踏み出しました。

ジルコニア製人工骨頭

Zirconia Femoral Head

従来、人工股関節の大腿骨システム用骨頭には金属が使用されていましたが、精度や材料の表面特性により摩擦が多いという課題がありました。その対策として、当社で開発した高強度部分安定化ジルコニアに着目し、1982年から医科大学、国立病院、歯学部などの協力を得て基礎評価を進めるとともに、他社と共同で開発を進めました。
また、当時の通産省機械技術研究所(現産業技術総合研究所)の協力を得て機械的評価をおこない、優れた安全性が確認された後、臨床試験を大学医学部で実施。厚生労働省へ薬事申請し、1993年10月に国内初の製造承認を取得しました。
この「ジルコニア製人工骨頭」の開発と並行し、強度面で問題があったアルミナ製の人工骨頭の開発を進め、従来のアルミナ製に比べ2倍の強度をもつ人工骨頭の開発にも成功(他社との共同開発)。当初、当社には医療分野や薬事法の知見がなく、対応に苦慮しましたが、社内外の多くの関係者の協力のもと、製品化することができました。

医療用酸素濃縮器

Oxygen Concentrator

1999 年、在宅酸素療法のための「医療用酸素濃縮器」の販売を開始しました。
この装置は、吸着剤を入れた吸着筒にコンプレッサーで空気を送り、高圧化で窒素を吸着させる工程と、低圧化で脱離させる工程を交互に繰り返すことで、空気中から90%以上の濃度の酸素を取り出すもの。酸素療法の対象となるのは、通常の呼吸では血液中の酸素分圧が不完全な慢性呼吸不全の患者さまです。
当社製品は、患者さまの電気代の負担が少ない低消費電力と静粛性、さらに小型・軽量といった特長があります。
後継機種となった酸素濃縮器3Eシリーズは、省エネルギー性とともに在宅医療患者の自己負担となる電気代を軽減した点が評価され、2006年2月第16回省エネ大賞において「省エネルギーセンター会長賞」を受賞しました。

生体活性骨ペースト

Hydroxyapatite Cement

2005年、新規の医療関連製品として、「生体活性骨ペースト」を開発し、厚生労働省より製造承認を受けました。
骨ペーストとは、紛体と硬化液を混ぜ合わせて骨の欠損部や骨折部に補填する材料のこと。
体内で硬化し、骨の無機成分である水酸アパタイトに変化することで周囲の骨と親和し、骨形成を促進するものです。疾患や事故による骨折、骨粗しょう症の患者さまが対象となります。
当社の骨ペーストは、骨との親和性が高く、また、体温付近(37℃)では速やかに硬化する一方で室温付近(25℃)での硬化は緩やかなため、操作性に優れるという特長があり、医師や医療関係者に高く評価されています。
今後も、患者さまのQOL*向上に貢献できるよう、医療分野での研究開発に取り組んでいきます。

*QOL:Quality of Life 生活の質。医療分野では、非侵襲や早期回復を助ける方式、検査時の苦痛などをできるだけなくし、患者さまの負担を軽減させることなどを「QOL向上」という。

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