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2020年12月09日
日本特殊陶業株式会社

製品

日本特殊陶業、空気中に浮遊するウイルスの不活化効果を実証
~開発中のオゾンガス発生装置で~

日本特殊陶業株式会社(社長:川合尊、本社:名古屋市瑞穂区、以下当社)は、開発中のオゾンガス発生装置により空気中に浮遊するウイルスの不活化効果を実証したことをお知らせします。

当社は、新型コロナウイルスを含む空気中の浮遊ウイルスを抑制した安心・安全な空間の提供を目指し、セラミック製プラズマ発生体の技術を活用したオゾンガス発生装置を開発中です。

このたび当社は、当該試作機により発生させた低濃度オゾンガスが空気中の浮遊ウイルスに対して不活化効果をもつことを、独立行政法人国立病院機構仙台医療センター ウイルスセンター(センター長:西村秀一博士)、株式会社メディエアジャパン(代表取締役:阪田総一郎)、株式会社増田研究所(代表取締役:細川俊介)との共同試験において実証しました(*)。

(*)安全上、新型コロナウイルスでの浮遊実験はできないため、同じRNAウイルスかつ粒子に脂質エンベロープを主要な構成要素の一つとして持つインフルエンザウイルスで実施した。


本試験においては、オゾンの不活化効果が湿度依存性を持つことも併せて確認され、当社がこれまで培ってきたセラミック技術やセンシング技術に湿度制御を加えた製品を提供することで、より効果的なウイルス感染防止対策を社会に提供できる可能性を見出しました。

今後は、当技術の有効性を実証すべく、浮遊する新型コロナウイルスへの効果検証を目指します。加えて、カラオケボックス店舗での稼働試験を実施し、市場のニーズを反映した製品設計を行います。医療機関や商業施設など幅広く安心・安全な空間を提供できるよう、開発を進めてまいります。

◆試験条件

試験は新型コロナウイルスと同じRNAウイルスかつ粒子に脂質エンベロープを主要な構成要素の一つとして持つインフルエンザウイルスで実施した。ウイルスを、一定湿度に制御された1.2m3チャンバー内に噴霧器で浮遊させ、当社で開発中のオゾン発生装置を用いて人体に安全とされる50ppbにオゾン濃度を制御し、経過時間ごとの浮遊ウイルスを採取し、ウイルスの力価(感染力)を評価した。


◆試験結果

湿度を40%Rhに制御した環境において、50ppbにオゾン濃度を制御した空間では、オゾンガスを有しない試験時と比べると、3分間で47.6%の浮遊ウイルスが不活化されることが確認された。一方で、50%Rhの湿度を保持した環境下では同一の濃度(50ppb)、経過時間(3分間)で87.7%の浮遊ウイルスが不活化されることが確認された。湿度を最適に制御することで、オゾンによるウイルス不活化をより短時間で安全かつ、効果的に活用できることも同時に示された。


※本試験は基礎的な条件下における不活化影響を調査するものであり、実使用環境での性能を保証するものではありません。