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各位

2021年05月06日
日本特殊陶業株式会社

製品

酸化物系固体電池でクラス最高水準の容量・サイズの固体電池を開発
~過酷環境下で使用できる安全で非焼結型の固体電池~

日本特殊陶業株式会社(社長:川合 尊、本社:名古屋市瑞穂区、以下、当社)はこのたび、非焼結型の酸化物系固体二次電池(以下、固体電池)を開発し、酸化物系固体電池でクラス最高水準の容量・サイズ※1を実現しました。また本固体電池は不燃性で有毒ガス発生の心配もなく、過酷な環境下やより広い温度範囲での使用が可能となりました。これにより宇宙空間や自動車の分散・バックアップ用電源、海洋機器、運輸用IoT、防爆が要求される機器などでの活用が期待されます。

当社は長年培ってきたセラミック積層技術を応用し、容量0.5Wh~10Wh、デザイン自由度の高い大型を含む多様なサイズ(30mm~110mm)の固体電池を実現しました。また、独自に開発した酸化物系として最高水準のリチウムイオン伝導性を有するLLZ※2 酸化物固体電解質を用いることにより、体積エネルギー密度300Wh/Lを達成しました。さらに、酸化物固体電解質の特長により硫化水素等の有毒ガスの発生や破損、破裂、発火の恐れがなく安全性が向上したうえ※3、従来のリチウムイオン電池の使用上限温度が60℃であるのに対し、−30℃~105℃までの広い温度域での使用が可能です。

これらの特長から期待される宇宙空間での活用については、株式会社ispaceが進める民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」にコーポレートパートナーとして参画し、2022年※4に月面で世界初※4となる固体電池の実証実験を行う計画です。既に宇宙向けの真空試験、振動試験、熱サイクル試験など各種環境試験をクリアしたフライトモデル電池の試作を完了し、打ち上げに向けて順調に準備を進めています。

当社はこの固体電池を、5月26日~7月30日まで開催される「人とくるまのテクノロジー展2021オンライン」に出展します。また6月30日~7月2日にポートメッセなごやで開催される「人とくるまのテクノロジー展2021名古屋」では、公益社団法人自動車技術会の技術紹介コーナーに現物を展示する予定です。


※1 当社調べ

※2 LLZ:ランタンジルコン酸リチウム

※3 釘刺し試験(JIS)、外部短絡試験にて実証

※4 2021年5月時点の想定


(左)パウチタイプ
(右)金属缶タイプ(HAKUTO-R向け)

  

フライトモデル電池を搭載予定の
民間月面探査プログラム
「HAKUTO-R」のランダー


■概要

電解質 LLZ酸化物固体電解質
電池容量 0.5~10Wh
サイズ 30mm~110mm
体積エネルギー密度 300Wh/L
耐性温度 低温/高温 -30℃/105℃
安全性 釘刺し試験で発火なし


■他社電池(酸化物系電池)との特性比較